「瞳子さま」、
由乃さまが菜々ちゃんを妹にしたあの卒業式以来、同級生のみなさまよりすこし早く「さま」付けで呼ばれるようになりました。
お姉さまを「お姉さま」、と呼ぶことには慣れてきていたものの、自分が「さま」付けで呼ばれるのは少しこそばいものです。
もちろん、私は女優ですからそのようなことは顔には出しませんが。
同じく「さま」付けで呼ばれるようになった乃梨子はというと呼ばれるたびにびくっとしているのがみえみえです。
まだまだですわね。
あなたは2年目なのですからしっかりしてくださいまし、白薔薇のつぼみ。
お姉さま、
お姉さまも昨年は同じように感じられていたのでしょうか
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「ねえ瞳子」
「なんです?乃梨子」
「瞳子って菜々ちゃんに『瞳子さま』って呼ばれるの、まだ慣れてないでしょ?」
「そんなことありませんわ。
私たちも2年生なわけですし、そう呼ばれるのが普通ではありません?」
「いや、呼ばれるたびに顔が赤くなってるなーと思って。自分で気づいてなかった?」
「っっ、そ、そんなことありませんわ!
乃梨子のほうこそ『乃梨子さま』と呼ばれるたびにびくっとしてるじゃありませんか!」
「いやほら、私って高等部からリリアンだからなんだかんだでまだ慣れきってないのよね。
そっか。リリアンっこな瞳子も、なんだね。」
「き、今日は少し暑いからですわ。」
「ふふっ、そういうことにしておく」
「うーっ。乃梨子の意地悪っ」
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時期的にはハローグッバイとリトルホラーズの間、
春休みあたりに薔薇の館で新年度に向けてのお仕事中の一コマってとこでしょうか。
1年生じゃないけど2年生にもなりきれていない、ということでタイトルは
「1と2のあいだ」
「それにしてもマリみて読んでるけれど、瞳子さまという表記になかなか慣れない」の一言で受信した電波を、即興で書いたヤツでたいがいびったんびったんだったんだけど、帰り道すがらにもうちょっと考えなおしてみたら、これまたびったんびったん。
暗い道をニヤニヤしながら歩いてるおっさんはさぞかし怖かっただろう。
瞳子かわいいよ瞳子。乃梨子と絡むとますます(ry。
可南子とも絡めてみたかったなぁ。