今時の W32TeX には IPAex フォントが必要

結論から。
今の W32TeX 環境を導入したら IPAex フォントも一緒に入れておこう。


閑話休題、意識が 3 ケタレベルに低いので Windows 環境で LaTeX 使ってたりするんですが、ふと思いつきで TeX 環境を現時点(2015/3/25)最新のものに更新したんですね。
オヤクソク通り W32TeX より、必須+標準のアーカイブ群をダウンロードしてきて、 texinst2015 を使って展開させたわけです。

それで環境テストにと、手持ちの適当な文書をコンパイル&PDF化しようとしたんです。

そうしたら、PDF化、 dvipdfmx を使った所で次のようなエラーを吐きまして。。

C:\>dvipdfmx grad.dvi

grad.dvi -> grad.pdf
[1
dvipdfmx:warning: Could not locate a virtual/physical font for TFM "rml".
dvipdfmx:warning: >> This font is mapped to a physical font "ipaexm.ttf".
dvipdfmx:warning: >> Please check if kpathsea library can find this font: ipaexm.ttf
dvipdfmx:fatal: Cannot proceed without .vf or "physical" font for PDF output...

Output file removed.

エラーの言いたいこととしては「rml に対応するフォントが置いてねーぞ」なわけですが、ipaexm.ttf が要求されてるということはわかります。

ファイル名を手がかりに調べると、どうも IPAex フォントだったわけでして、
IPAexフォントのダウンロード
からフォントをゲットしてインストールすれば、無事 PDF 化できましたよと。



以前はこんなことなかったのになーと、少しフォントマップ周りを覗いたところ、

フォントマップの指定は (W32TeX)/share/texmf-dist/dvipdfmx/config の dvipdfmx.cfg の末にある部分でマップファイルで指定されてます。

%%
%% Font map files
%%
f psbase14.map
%f dlbase14.map
%f embase14.map
%f kbbase14.map
%f pdfmomegaj.map
%  w32tex
f dvipdfm.map
%
f cid-x.map

で、そのマップファイルは、というと
(W32TeX)/share/texmf-dist/fonts/map/dvipdfmx/base と (W32TeX)/share/texmf-dist/fonts/map/dvipdfmx/updmap に置いてあるので、 rml に相当するフォントマップを定義している部分を探すと、 cid-x.map に以下の通りな定義がされてまして、なるほど、こいつが IPAex フォントを要求してるのね。と。

rml   H ipaexm.ttf
gbm   H ipaexg.ttf
rmlv  V ipaexm.ttf
gbmv  V ipaexg.ttf