ペットの航空機搭乗サービス

ペットの航空機搭乗サービスでの事故案件でブコメで色々飛び交ってるので、ちょっとまとめる。

先に書いておくと、例によって『スレタイ煽りすぎ』というのと『コメ前にちょっとサービス概要読んでおけば…』。
そして当人のTLを参照して状況を推測するに、ANAのこの事故に対する事後対応はまぁ評価できると思う。

  • 渡航先の獣医の紹介
  • 葬儀のための戻り便の手配

など、しっかりした事後対応してくれてる模様。


なので、ここでは、「それじゃこのサービスは今後どうしたら?」という点でまとめたい。

当人のツイートによると、

  • 預ける前に水は十分飲ませた
  • 12時前〜15時過ぎの間の1時間のフライトでの事故
    • どこかの離島行き(帰省っぽい)
  • 体温は47度以上まで上昇(これは致命的…)
  • ANAからは「飛行機に乗せる前の地上での温度が高すぎた」と説明を受けた

という状況が読み取れる。

まず、ペットの航空機サービスはANAJALもそれぞれサービスとして提供している。

それぞれ「ペットもちゃんと輸送しますよ」と謳っていて「ペットがいるので旅行は難しい」としていたユーザ層の取り込みを狙ったサービスだと思う。
お値段は両方とも 5,000円(個人的な感覚としては安い)。
同意書は双方とも「ペットの死傷については航空会社に責任を問わない」という内容になっている(若干ANAのほうが厳しい)。

搭乗時の流れとしては、↑のサービス解説にあるように「航空会社の専用ペットケージに入れて窓口で預ける→一緒に飛ぶ→行き先で再開」となる。
預けた後の流れは
ANA ペットらくのりサービス【国内線】/お預かりの流れ
にある通り。

機内では貨物室とはいえ客室とほぼ同じ状態に空調の効くエリア(バルクカーゴ室)にケージが固定されるので、ここでのリスクは低い(慣れない環境によるストレスやパニックで暴れてケガ…等は考えられるが)。

問題なのは「貨物室に乗せるまで」と「貨物室から下ろした後」で、空調の効いていたエリアから一旦コンテナに載せての輸送になるので、その間が最も危険になる。
先に書いたように今回の事故もこの区間で起きている(もしかしたら、積み込み順序にミスがあったのかもしれない)。

注意書きによると、
ペットをお預けのお客様へ(事前にご確認ください)│ANA ペットらくのりサービス【国内線

【湿度・温度】
お預かり後は出発間際まで空調の効いた場所にて保管いたしますが、航空機への搭載、取り降ろし時は外気にさらされ、夏場・冬場ともに温度・湿度において大きな変化が生じます。特に夏場においては駐機場の反射熱などにより外気温に比べて高温になる場合もございます。

となっていて、積み下ろしの際に「暑くなるよ」というのは読み取れる。

ただ、この文面からは「危険性」が感じられないのが問題で、この文面から熱中症死に至る可能性がある。と読み取れる人がどれだけいるか?と。
「暑くなるけど、飛行機に乗るまでちょっとガマンしてね」と思う人が多いのでは、と思う。
id:mirinon 氏もブコメで書いてるけど、「サービスとして提供されているのに、それで死ぬとは通常考えない」。
過去の事故例から危険性が予測されるのであれば、ここで「体調不良や死亡する場合がある」と明記すべきだと思う。

あと、航空会社に望むのは、ペットなど比較的温度に敏感なものをターミナル〜機体間で輸送する場合は、通常の密閉されたコンテナではなく、通風の効く網状のコンテナ、贅沢を言えば空調管理の効くコンテナを開発して、そちらに載せて輸送するようにしていただければと思う。
また、搭載の前後でケージ内のペットの様子のざっとした確認を。
積み下ろししている状況で爆睡するようなず太いペットはそうそういないので、見ればわかるはずだし、不調を早期発見できればそれだけ助かる率も高い。

これらの対策でペットの搭乗費用が上がったとしても、大多数の飼い主は安全側をとって納得するはずだ。
こんな事故、お互い不幸になるだけなので回避できるのであれば回避すべき。

まとめると

  • 危険性があるならそうと明記して
  • ターミナル〜機体間のコンテナに工夫を
  • サービスするならお値段上がってもいいので安心できるサービスを

の3点を航空会社にお願いしたい。

ケージの温度推移が実際どうなるのか、ケージに温度センサ付けてトラックしてみた情報を開示するとか手はあると思う。

ご冥福をお祈りすると共に、航空各社におかれましては、このような悲劇がおきないよう改善をお願いしたいところです。

飼い主側の心構えとしては
第一選択肢は「ペットを移動させない」

  • 旅行しない
  • 任せられる人がいるなら留守番
  • ペットホテルや親戚知り合いに預けられるのであれば預ける

引っ越しなどで移動を避けられない場合は

  • 自家用車で一緒に移動
  • 運送会社の専門便を使う

やむを得ず、航空会社のサービスに頼らざるをえない場合は

  • 空港の環境が厳しい時期(夏場)は避ける
  • 最悪の場合でも昼間は避けて、早朝夜間便にする

などの自衛が必要でしょう。少なくともペットサービスが改善されない間は。


Appendix:対ブコメ

  • 連れて行くのが間違い&ペットホテルに預けるべき
    • 可能であればそうするべきなのに同意。ただ、このサービスは以前は「ペットがいるから」で旅行できなかった客を狙っているので、工夫はしてほしいところ。
    • あと、どこでもペットホテルなんて便利な施設があると思っていたら大間違いだ!
  • 同意書あるから〜
    • 航空会社による危険性の周知が甘いように思います
  • ペット用の席
    • ANA JALでは昆虫や金魚ぐらいならOKらしい。それ以上は無理っぽい。
    • 海外の航空会社ではペットを客室内持ち込みできる場合もある模様。
  • こんな時に横でツイートするとか…
    • 航空会社と対応しているのはツイート主の親。ツイート主の愚痴というか嘆きの吐露ぐらい許してやれよ。。。
  • ウソっぽいを臭わせた…
    • ウソだとしたら名誉毀損で営業妨害もいいとこなので、さすがにやらないでしょう
  • id:NOV1975 『飛行機にペットは乗れないことをもっと周知徹底したほうがみんな幸せになれそう。』
    • JALANAも「ペットも一緒に乗れる商用サービス」として提供してるところで事故が起きたわけでして。